ふだん書評など書かないのだけれど、これはどうしても紹介しておきたかったので書いておきます。
先日 私が宮城県の七ヶ浜に行った時に、私が所属したボランティア現場の陣頭指揮をとってくださった方がいます。
小田原きよし さんという方です。
この方は震災直後からこの宮城県七ヶ浜町に入り、ずっとボランティア活動を続けられているそうです。これは、その小田原さんが、その現場で書いたという本。
その時はどんな方かよく知らなかったんですが、福岡に帰った後、ネットでこの本を見つけ注文しました。
この本には、3月11日のあの震災から、小田原さんがどのような気持ちでボランティアに行く決意をし、その後どうしてずっとボランティア現場に居続けることになったのかという心の変遷が綴ってあり、また、ボランティア現場ではどのようなことをし、何に注意すべきでどんな問題があるかなど事細かに記してあります。
すべて、この半年間を超えるボランティア現場からの生の声。
たくさんのドラマがあるし、ボランティアに行く側と受け入れる側との「善意の献身」の葛藤の様子も記されています。
実際、ボランティアってどんなものなのか、現地に行った人も行けない人も、もう一度「人って何ができるのか」考えさせられる本です。
仏壇は腐るから出してくれと言われたが、壁にはめ込まれていてバールを使わなければ取り外せない構造になっている。「バールを使うしかない」と言うと、それでもいいから外してくれと言われ、手を合わせたあと、しかたなく差し込んだ。壁から引き剥がし、仏壇が壊れるときのベキッという音とその手応えは途方もなくイヤなもので、チーム全員気が滅入ってしまった……。 (本文より)
これはついこの半年間のあいだに、ここ日本で行われていたことです。
小田原さんは言います。
「いま日本人は、同胞の痛みに対して無関心なままでいるか、本当に結束するかの別れ道に立っている。問われているのは、むしろ被災していない日本人の心だ。」
先日、自分で七ヶ浜に行ってみて感じたのは、実際、半年以上たった今もまだまだやれることはたくさんあるということ。
そして、これからも自分にできることを探して地道にやっていかなくてはいけないなと改めて心に誓ったこと。
現地で旅館の跡地を掘って瓦礫の撤去をしていた時に、土の中から小さい子が遊んでいたのであろう「ベイブレード」が出てきた時はとても胸が熱くなりました。
ホント絶対忘れちゃいけないし、まだまだやれることがある。
この本はそんな大事な事を改めて教えてくれました。
ぜひ多くの人に読んでみてほしい本です。
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