【WWDC2011まとめ】Lion, iOS5, iCloud とはこういうものだ!

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皆さん待ちに待った「WWDC2011」が日本時間 7日午前2時より無事開催されました。
ジョブズの登場とともにスタンディングオーベーションで始まり、事前告知通り Lion, iOS5, iCloud の発表があり、今後のAppleの更なる変革を伺わせるような、とても濃い内容の2時間となりました。
ジョブズは最後の iCloud のプレゼンテーションを担当。今回、iCloudにどれだけ力が入っているかが窺い知れます。

来場者は5,200人以上いたとか。
それでは、いったいどんな内容だったのか。

まず最初は各種数字の発表から。今回発表された数字は以下の通り。

「Mac関連」
・世界中のMacユーザーは約5,400万人
・成長率はPCが年率で1%減退なのに対し、Macは28%増
・Appleが販売したMacのうち72%はラップトップ

「iTunes Store及びiOS関連」
・iTunes Storeでの楽曲の累計販売数は150億曲
・iBookstoreの売上冊数は1億3,000万冊
・App Storeからのアプリダウンロード数は140億本
・App Storeのアプリ数は425,000本、うち90,000本がiPad用アプリ
・iTunesに登録されているクレジットカード番号の件数は2億2500万件
・AppleがiOS向けアプリの開発者に支払った金額は25億ドル
・Game Centerのユーザー数は5,000万人

「iOSデバイス関連」
・iOSデバイスの累計販売台数は2億台以上
・iPadの累計販売台数は2,500万台

続いて、いよいよ気になる Lion, iOS5, iCloudの発表へ。


【 OS X Lion 】

Mac OSの新作『OS X Lion』は250以上の新機能を搭載し、7月発売予定。
MacAppStoreのみでの販売。価格は2,600円。
講演では何も触れられていませんでしたが、名称から “Mac” が抜けているところも気になるところです。
もしかしたら今後、iOSとの融合をにらんで名称を変更しているのかもしれませんね。

主な変更点は以下の通り。

◎マルチタッチジェスチャー
今までのマルチタッチがさらに進化し、より直感的な操作方法になりました。

◎フルスクリーンアプリケーション
アプリケーションを標準でフルスクリーン表示できるようになりました。
操作もシンプルで、新しくなったマルチタッチを使って指先一つでフルスクリーンの切り替えが可能です。

◎Mission Control
フルスクリーンアプリケーション、Dashboard、Exposé、Spacesを一つの画面にまとめた新機能です。
システムにあるものすべてを、一目で見渡すことができます。

◎Mac App Store
すでにリリースされている通り。iPhoneのAppStoreのように、MacのアプリはMacAppStoreから全てダウンロードできます。
Lion自体もこちらからダウンロードすることになります。

◎Launchpad
iPhoneやiPadのようにすべてのアプリケーションをディスプレイ上に並べる機能です。

◎再開
アプリなどで作業中の内容を失うことなく、その閉じた時の状態を保持しておくことができる機能。

◎オートセーブ
作業の途中で保存することを気にすることなく、Macが自動的に作業を保存してくれる機能。

◎AirDrop
Wi-Fiネットワークも複雑なセットアップも特別な設定もいらず、ネットワーク上にいるファイルを共有したい人のアイコンにファイルをドラッグするだけで転送ができる機能。

◎Mail
フルスクリーンで表示、メール文や添付ファイルの検索機能も可能。見た目、iPadのメールアプリのようになりました。


【 iOS5 】

iOS5では200の新機能が追加。注目の新機能がとても多く、iPhone, iPadの使い勝手がさらに良くなりそうです。
リリースは「秋」とだけ言われています。噂されている iPhone4S と同時リリースでしょうか。
iPhone3GS にも対応しているとのこと。

注目の新機能はこちら。

◎PCフリー
iOS5ではOTA(無線)アップデートが可能になり、アクティベーションやセットアップにMacやPCが要らなくなりました。
アップデートは”デルタ”アップデート(すべてダウンロードするのではなく、新しくなった部分の差分だけダウンロード)だけになったので、以前よりもスピーディーに。
全てのアプリは無線でアップデートできるため、iTunesとケーブル接続する必要がなくなります。

◎通知機能(Notification Center)
これも大きな変更点です。従来のiOSのプッシュ通知はけっこう問題視されていました。今までは新着があると、いちいちポップアップ表示されるので煩わしさがありましたが、新たな通知機能ではトップからスライドダウンする形になったので、ユーザーの作業の邪魔をすることはありません。またアンロック画面にも通知は表示されます。

◎TwitterをOSに統合
iOS自体にTwitter機能を統合。OS内でサインインできます。
Safariから見ているページを直接ツィートしたり、Mapで自分の位置情報をツィートできるようになりました。

◎Safari の新しい機能
Safariに、『タブ』機能 & いわゆる “後で読む”「Read It Later」機能が付加。
”後で読む”機能は、ユーザーが持っているすべてのiOS製品、およびSafariでシンクできます。

◎カメラ
ロック画面からカメラを直接起動できるようになりました。また、シャッターのハードonが可能に。
より素早く起動でき、よりカメラっぽくシャッターが切れるようになりました。

◎Mail & 親指キーボード
リッチテキストフォーマット形式で 太字, 斜体などが使えるように。また、アドレスをドラッグ&ドロップで to, cc, bcc に挿入が可能になりました。
さらに、親指が有効に使えるようにキーボードの新たな形式も追加されています。

◎iMessage
iOS5端末ユーザー間で、Wi-Fi, 3G経由で簡単に テキスト, 動画, 写真, 位置, 連絡先などを送ることが可能に。
なんでもありのメッセージング(+チャット)と、安全なファイル交換ができるようになりました。

◎AirPlayのミラーリング
iPad2の画面をそのままワイヤレスでテレビにミラーリングできます。
ただし、A4を搭載した最新のApple TVが必要です。

◎ニューススタンド(Newsstand)
有料購読の雑誌がまとめて保管しておける場所。AppStoreのサブカテゴリ。
購入した書籍はユーザーが持つ全デバイスにダウンロードされます。読みすすんだページもiCloudで同期されます。

◎リマインダー
アイテムや時刻や場所などのリマインドをセットし、指定した時間に起動できる機能です。

◎Game Center
ゲームやお友だちのおススメ、ポイント、写真共有、交互プレイの対戦ゲームのサポート、などが可能になりました。


【 iCloud 】

MobileMeを進化させたサービス。Macに代わり、生活の「ハブ」となりうるという位置づけのもの。
Appleが強大なデータセンターを建設し、今回、最も力を入れていたサービスです。
ジョブズ自身がプレゼンしていたところを見ると、その力の入れようも窺い知れます。

価格は無料。リリースはiOSと同時。今秋。
今までMobileMeを使っていた人はそのまま移行できます。また、MobileMeの未使用のactivation codeがある場合は返金を請求できます。

無料のストレージ容量は5GB。

仕様はこんな感じ。
・Wi-Fi下で毎日自動的にシステムバックアップが行われる
・music、App、Books購入がクラウド上で可能に
・カメラロールの内容もクラウド化
・デバイスセッティングもクラウドに保存
・アプリのデータも保存
・カレンダー, 連絡先などの変更情報も保存
・Pages, Numbers, Keynoteなどのドキュメントも保存
・保存した内容はユーザーのどのデバイスからもアクセス可能

詳細機能は以下の通り。

◎PhotoStream
カメラロールがプッシュでクラウド上に上がり、ユーザーのどの端末からも閲覧可能になります。
最新の写真1,000枚までWiFi経由でアップロードすることができ、30日間まで保存可能。永遠に残しておきたいものはアルバムへ。

◎iTunes
iTunesで購入した曲はクラウド上にアップされ、いつでもどのデバイスからも音楽を聴くことができます。
また、購入した楽曲は何度でも再ダウンロードすることができるようになりました。10デバイスまで認証可能。
これが例の4大音楽レーベルと契約した内容ですね。

ちなみに無料のストレージ容量5GBには、Photo StreamやiTunesからダウンドードした音楽は含まれていないとのこと。

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そして終盤になり、もっとも期待しているジョブズの「One more thing…」(最後にもう一つ)は iTunes Matchでした。

◎iTunes Match
iTunesで購入しなかった曲はどうなるのか?そのためのクラウド機能が iTunes Match です。
CDから読み込んだ楽曲と、iTunesライブラリにある楽曲をマッチングし、iTunesが256kbpsのレートでサーバー上に保管してくれます。
自動でマッチできなかったもの関しては自分でアップロードしてくださいとのこと。
これにより、iPhoneなどからいつでも、どこからでもワイヤレスで音楽が聴けるようになります。
(今のところ)アメリカのみで年間24.99ドルで提供されます。

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ということで、今年のWWDCは無事に終了しました。
新たなハードの発表はなかったものの、今回の内容は今後のApple、そしてそれを取り巻く環境に対して、かなり影響の濃いものでした。
iOSではTwitter統合やSafariの新機能により、従来のサードパーティー社への影響は大きいと思います。
PCフリーでOTAが可能になったことで、携帯キャリアのデータトラフィックの負担も大きくなるでしょうから、キャリアの対策もまた問題になるでしょう。
また、今までAppleが生活の “ハブ” として位置づけていた「Mac」を、「iCloud」に舵取りを変えたのも大きな注目点です。

今回のWWDCがAppleにとって大きな転換期になるのは間違いなく、そしてその『覚悟』も伺い知れる内容でした。
絶頂期と言われるAppleですが、慢心することなく変わらず最速のスピードで駆け抜けていく姿勢には本当に脱帽です。

そして今回は何よりも、ジョブズが無事にまた壇上に立ってくれたことが本当に嬉しかった。
今後も元気で私たちの前に姿を見せて欲しいですね。
それではまた来年!楽しみにしておきましょうね。

ちなみに今回のKeynoteの動画が公式サイトにもうアップされています♫
Apple Special Event June, 6 2011 Watch the streaming video from the WWDC 2011 keynote.

<参考・出典>
WWDC2011開催! リアルタイム更新終了しました! (GIZMODO)
速報:アップル WWDC 2011 基調講演 (engadget日本版)
Appleが「WWDC 2011」で発表した各種数字のまとめ (気になる、記になる…)

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